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プロ家庭教師で過ごす

「記憶できる分量」と「所要時間」の、意外な関係について述べておこ覚えるべき分量と、それにかかる時間は、どのような関係にあるだろうか?フランスのフ−コ−の実験によると、覚えるべき分量は、「所要時間の二乗と比例する」という結果が出ている。
たとえば、一〇〇個のことを暗記するのに一時間かかった場合、二〇〇個のことを暗記するのにかかる時間は、二時間ではなく、二の二乗、つまり四時聞かかるのである。 分量が増えると「干渉効果」によって頭が混同してくるので、所要時聞が大幅に増えるのだ。

あまりに、あれもこれもと詰め込もうとすると、かえって元も子もなくするということだ。 必ず覚えておきたい事項を優先した、メリハリのある勉強法は、この意味からも有効である。
目標の立て方が勉強の成果を左右する最終目標は、具体的に数値化することが大切「やる気」が大脳新皮質を活性化させ、記憶力や学習能力を高める||。 これは前で説明したとおりである。
したがって、自らのやる気をどう引き起こし、持続させるかで記憶の蓄積度合いも大きく変わってくる。 この意味で、自らを奮い立たせる目標の立て方が重要になってくる。
資格試験や昇進・昇級試験を目指している人なら、すでに皆さん、目標は立てておられることになる。 しかし、問題はその目標の立て方なのだ。
「英検一級に合格!」「昇進試験に一発合格!」といった、抽象的な目標で終わっている人が実に多い。 しかも、目標はかなり遠い先のことだ。
これでは日々の勉強の過程において、脳に快感をもたらすド−パミンが大量に放出されにくい。 やる気を発生させるというホルモン、「TRH(サイロイド・リリ−シング・ホルモン)」だって、なかなか湧いてこないだろう。
目標は、日々の勉強のすすみ具合を実感できるよう、旦ハ体的に数値化することだ。 しかし、「五か月勉強する」「五〇〇時間勉強する」などと、時間で計画を立ててはいけない。

そこに「分量」という要素を加える。 たとえば、ある資格試験の合格には、テキスト(三〇〇ページ)と問題集(二〇〇ページ)が必要だとする。
これを三回繰り返すなら延べ一五〇〇ページだが、二固めは最初の三分の二の時間、三固めはさらにスピードアップして三分の一の時間でできるだろうから、二固めと三固めを合わせて時間効率的には初回の五〇〇ページ分。 トータル一〇〇〇ページだから、テキストと問題集を全日程の半分、二か月半で一通り勉強できれば第一目標達成だ。
こうしておけば、勉強の進行具合は即座に判断できる。 順調にすすんでいると実感できれば、さらにやる気が湧いてくる。
予定より遅れていたなら、自らの尻をたたく意志がはたらく。 これもまた、やる気を生む。
勉強計画は、時間で立ててはいけない。 「勉強計画は分量で立てる」のが大原則だ。
一方、「遊びの計画は時間で立てる」と歯止めがきく。 勉強の合間に少しだけと思ってパソコンゲームをはじめたら、なかなか途中でやめられなくなり、時間を浪費してしまったそんな経験者はいませんか?クリアするまでやる、何得点以上取ったらやめるといった決め方をしてパソコンゲ−ムをはじめると、しばしばそういうことになってしまうので、ご注意いただきたい。
最終ゴ−ルの前に、区間ゴ−ルを設けよ。 最終ゴ−ル(資格試験の試験日)が何か月も先だと、気が緩んでだらけてしまう。
だから、その途中に中間ゴールを設けるのが有効だ。 先の例だと、一か月後二〇〇ページ・二か月後四00ページ・二か月半後:五〇〇ページ(テキスト、問題集第一固め完了。

明日から二固めの勉強へ突入)というように、区間ごとのゴ−ルが読める。 こういう時間と分量を組み合わせた計画を立てておけば、中だるみしない。
これも前述の「締切効果」である。 長丁場にわたる勉強の計画は、「長期計画」(最終的に延べ一〇〇〇ページ)「中期計画」(毎月二〇〇ページ)「短期計画」(一週間あるいは一日の勉強量)と、三段構えで立てるとよい。
会社にも、五か年計画などの長期計画があり、それぞれの年度計画、さらには月々の計画がある。 それと同様のことを勉強計画にも持ち込めばいいのだ。
ここからは、ちょっと余談。 年始恒例の箱根駅伝というのは、よくできた競技だ。
総合優勝のほかに、往路優勝と復路優勝を争い、さらにそれぞれの区間賞まである。 往路で失格になった場合も、参考記録ということでそのチームは復路に参〆加できる。
すべての出場選手のやる気を引き出すよう、実によく考えられているのだ。 翻ってプロ野球はどうか。

かつてパ・リ−グは、二シーズン制を実施していた時期がある。 二〇〇二年パ・リ−グの西武のように、首位チ−ムが二位以下を大きく引き離す展開になると、ペナントの行方という興味が後半戦ではまったく失われてしまう。
また、優勝の希望が消えたチ−ムの士気はどうしても低下する。 二シーズン制には、「前期はダメだったが、後期こそは1」と、新たなやる気を選手、球団に引き起こさせる効果があった。
一九七四年には、後期優勝の金田ロッテが、プレーオフで当時の強豪・阪急ブレ−ブス倒し、さらに巨人のvmを阻止してセ・リーグを制した中日を四勝二敗で倒して日本一になるという意外なドラマも生んだ。 二シーズン論議はこのところ消えてしまっているが、「やる気」次第で選手の活躍ぶりが違ってくるのも確か。
プロ野球人気回復のためにも、再考に値する制度だと思うのだが、いかがなものか。 このようにスポーツの世界では、往路・復路とか前期・後期などと区切ることで、やる気を引き出すことができる。
勉強についても同様だ。 あなた自身が意識して、区間ゴ−ルを設けることである。
「アメとムチ」の成功報酬計画なんらかのかご褒美(見返り)がないと、勉強がすすまないという人も多い。 昇級試験や資格試験に合格すれば、収入や地位は上がる(ハズ)。
大きなご褒美が先に待っていることはわかっている。 しかし、勉強している途上においては、遠い先のことにしか|第日|脳科学的に正しい勉強計画の立て方思えないというのなら、もっと近いところに、自らご褒美を設定しておくのも悪くはない。
名付けて「アメとムチを使った成功報酬計画」。 たとえば、・テキストの何ページまで勉強したら(ムチ)・今日の勉強は終わりにして、その後は趣味の時間にする(アメ)という具合に、ささやかなこ褒美を自分で用意しておく。

長丁場を日々、倦まずたゆまず勉強をつづけていくには、たまには飴玉をなめるくらいはいいだろう。 人間の神経は結構頑丈にできているものだが、酷使しすぎると脆く壊れたりすることもある。
緊張の後には、緩和。 これをうまく使っていく必要がある。
たとえば、どうしても観たい映画があるという場合なら、週末の数時間をそれに充ててよしとする目標を決めて、それをやり通せばいい。 ・今週の士・日はいつもより三コマ(一・五時間×二科目)多く勉強する(ムチ)・それができたら来週はあの映画を観る(アメ)プロのセールスマンだって、会社のインセンティブ制度によって士気を鼓舞されるようなところがある。
アメとムチ作戦、大いに結構。

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